バスに揺られること約4時間、ついにモンサンミッシェルが見えてきた!
あたりには高さのあるものが何もなく、草原しか見えない風景の中に唐突に現れる感じで、ジャングルに高層ビルがあるかのような違和感がある。
陸から一本道の車道でモンサンミッシェルへ。昔は陸からつながってはおらず、引き潮の時だけに現れる陸地を歩いて渡っていたらしい。潮が引くときはゆっくりだが、満ちてくるときは猛烈なスピードで、走って逃げても全然間に合わなかったとのこと。多くの人が命を落とした、とガイドさん。今でも年に(確か)二度ほど、車道がぜんぶ埋まってしまうほど潮が高くなることがあるらしい。
モンサンミッシェルに到着。島の入り口に大きな駐車スペースがあり、そこからは徒歩で移動。島内は細々した道がいくつかあるものの、修道院へと至る道がメインストリートになっていて、道の両側にはお土産屋さんやレストランが並ぶ。
そのメインストリートも幅はそう広くなく、途中階段もあったりするので、自動車は通れない。金曜日の日中だが観光客はかなり多い。しかも日本人がやたら多い。ガイドさんも、他の日本人グループについていかないように気をつけてください、としきりに言っている。
モンサンミッシェルのお店はそれぞれ個性的な看板を掲げていて、それを写真で撮って回るのも面白いですよ、とガイド氏は言っていた。形がどれも変わっていて、見ていて飽きない。
島の入り口から歩いて3分ほどで、昼食をとるレストランに到着。ツアーに組み込まれている昼食で、食べるのは名物とされるオムレツ。名物と言ってもおいしいことで有名なわけではなく、昔からここで作られていたというだけ。どのガイドブックを見ても、おいしいとは一言も書いていない。当然ガイドさんもおいしいとは言わない。
出てきたオムレツがこれ。日本のオムレツとは明らかに違う。表面だけ焼かれていて、中は目の細かい泡状になっている。味はない。ただただ薄い卵の味。塩コショウをかければ食べられるが、妻は「泡は要らないな」といってかなり残していた(代わりに自分が完食)。
元々あるおばさんが、陸側からやってくる旅人(巡礼者)を相手に作り始めたのがこのオムレツらしい。遠くから人がやってくるのが見えたら卵を割って、それと水をシェーカーのような器具に入れてシャカシャカ振り続け、店までやってきたら焼く、ということだったそうだ。いつ客が来るか分からないから、いつ来ても対応できるように、ということらしいけど、もうちょっとまともな料理はできなかったのだろうか。まあ、昔の人が食べていたものと同じものを食べている、と考えれば多少感慨深くもあるけれど。
ただ、飲み物として頼んだApple Ciderはおいしかった。Apple Ciderをそのまま読むとアップルサイダーで、炭酸リンゴジュースのようだけれど、アップルシードルと言って、リンゴから作られた発泡性のお酒。そのお店には甘いのと苦いのがあって、苦い方を頼んでみたら、苦みの中に甘みもあっておいしかった。アルコール度は5%ぐらいで、ビールとほぼ同じ。また飲みたいなあ。
2008年10月26日日曜日
フランス旅行その2~モン・サン・ミッシェル到着~
投稿者
たわらねずみ
投稿時間
22:34
ラベル: 2008フランス旅行(France Trip 2008), E-510, 街中スナップ(town), 料理(food)
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2 件のコメント:
確かに「泡はいらない」ね・・・ 美味しくなさそう・・・。
写真だと外壁の左側が崩れているように見えるんだけど、実際はどうなの?
崩れているんじゃなくて崖になってたり?
次回の更新をお待ちしてま~す。
味よりも経験を楽しんだよ。
左側の建物じゃないところは、岩肌で、崖になってるんだよ。
花崗岩の島に、徐々に建物を建てていったんだって。
花崗岩は硬いから掘れなくて、上に建てるしかなかったんだって。
以下、ガイドさんの話。
昔、アブランシュという町のサンジェルベ教会にオベール司教がいました。
ある日大天使ミカエルが降りてきて、「あそこに私の為の何かを作って下さい」と言ったそうな。
あそこって言われた方向には、海に浮かぶ高さ78㍍の岩山がありました。
しかしオベール司教は何もしませんでした。
そしたらミカエルはまたやってきて、同じことを言いました。
オベール司教はまた無視してました。
3度目に現れたミカエルはオベール司教の右の耳の上を触りました。
そしたら触られた部分に穴が開きました。
お尻に火がついたオベール司教はその岩山に修道院を建て始めました。
ちなみに、これは1300年前のお話。
今年はモンサンミッシェル1300年祭なのだ。
なお、この伝説が流布した後の時代に、修道院の一室から正にその箇所に穴の開いた頭蓋骨が出てきたんだって。
調査の結果、その人物は40代男性で、オベール司教と一致するんだけど、年代が10世紀くらいのものらしく、時代は一致しないそう。
現物は、もともとオベール司教のいたサンジェルベ教会に保存されている。
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